非商業主義

デモテープ1というアルバムがあります。これは坂本龍一サウンドストリートというラジオ番組に素人がデモテープを投稿するコーナーに送られて来た作品の一部をコンピレーションしたもので、テイトウワや槇原敬之のアマチュア時代の作品も収録されている。これ、ちょっと衝撃を受けた。非商業主義ゆえの自由な世界といいますか、ジャンルが固まって無いゆえの自由な世界といいますか、このような自由は最近ではすっかり失われてしまっているのではないかとしみじみ感じさせられる。音楽ってのは、音を楽しむ、ってわけで、こういうあり方こそ本来の音楽である。

DEMO TAPE‐1

DEMO TAPE‐1



商業音楽界はうざったい売れ線音楽がはびこり、何かに役立つ音楽でなくてはならず、その結果、うざったい、くどい音楽が街やテレビで垂れ流され、それが音楽、みたいな状態ってのはずっと昔っからそうだが、最近は音楽界全体のセールスも落ちて来ている為、どんどん二極化が進む。売れ線音楽はよりくどくうざったく、アマチュアは売れ線音楽のそんな状態に対しモチベーションがあがらず気概といったものが無い。


空虚や虚無こそ、最大の敵である。そこに立ち向かうモチベーションこそが、対象が何であろうと、とにかく最も大事なものの一つだ。下らなくても、とにかく自由に何かをやろう。ってもんだ。「デモテープ1」はそのような事を再確認させてくれた。


http://www.chokai.ne.jp/mimori/demo.html

このサイトではサウンドストリートの当時の坂本龍一のコメントやらが見られる。
岡元清郎さんという方の曲は凄い。プロにはなられなかったようだが、プロになったらこの何とも言えない味というものは失われてしまう事だろう。このままやり続けるという土壌が必要だと思う。小沢邦彦さんという方の曲もすごく良い。このコンセプトでアルバム1枚分あったらこりゃ名盤だと思う。弦とシンセだけってのがなんとも潔く、気持ち良い。
そしてREVORUTIONBANDのYes,Noという曲には感動すらしてしまった。単に女の子三人組が酒盛りをしながらオフコースの曲のコピーをしているだけなのだが、チープ極まりないアレンジというかシンセ手弾きだろうが、それに合わせて音頭を入れる。曲調はJ-POPの原型。正に日本音楽ここに極まれりといった風情であり、言うなれば和製SHAGGSテクノ版である。何の迷いもない朗らかな歌声に鳥肌が立つ。しかし冷静に考えると、一体なんなのだろうこの感動は。SHAGGS聴いた時にも感じる、何とも言いようが無いこの感じ。素敵だね。

Philosophy of the World

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