ファミコン



















 ヴィレッジヴァンガード各店でファミコンのサントラなんかの横にYMCKというアーティストの「Family music」というアルバムが置かれております。これ、店でかかってる時も気になってたのだが、知子が視聴のMP3をダウンロードしてたのでそれで聴いたら買いたくなったので購入しました。
 これがまたよく出来てるというか、まあもろファミコンの音です。でもちょっと笑ったのが、年代でいうと'87〜'88年以降くらいの音っていうか、色々出来るようになってきて色々やっている感、までもが再現されてた所。具体的に言うと高速で音符を並べる事によりSE(サウンドエフェクト)感を出してたり、限られた制約の中で出来るだけの事をやろうと無理をして作ったようなサウンド、そんな感じまでもがちゃんと出てて、その辺まで含めてファミコンサウンドだなあ、と感慨にふけりました。
 なんせそれって制約の中から生み出されたもので、今再現しようとすれば制約ってあまり無いじゃない・・・って書いてて気付いたが、このCD、ファミコンの音と声以外は使ってないって事は、それも制約っていう話からすれば同じなんですね。でもまあ同時発音数の制約に関しては今は無いと思いますが、そこは意識的に音を減らしてやってると思います。

 あと曲が良いです。ファミコンの音しか使ってないんだけど、ファミコンの音あってこそ成り立ってる音楽では無いってのがポイントなんじゃないかと。POPです。以前エミュのところでも書きましたが、ファミコンってもの自体がPOPなんですよね我がジェネレーションは。売り方によっては、かなりの所まで行けると思いますよ。チップチューン*1なんて枠に収まらないでね、上を目指すべきだと思います。


 ところで自分の中で「完璧」となっている音楽ジャンルの中に「'85任天堂サウンド」というのがあります。これは何を指すかというと、「バルーンファイト」「レッキングクルー」マイナーなところで「ジャイロ」で聴けるファミコンサウンドの事です。理由はよく解りませんが、他のファミコンサウンドとは違う妙なグルーヴが出ており、もちろん他の音楽でも出せない唯一無二の最高のグルーヴを奏でているのです。つまりそれはゲームミュージックという範疇では無くて、音楽ジャンルなわけです自分の中では。そういう感覚がね、重要なんじゃないかと。ファミコンチップチューンの落とし穴対策として。

*1:世界中でチープなゲームの音を使って音楽を作るシーンがあるのです。でもそういうのを好きな人同士で内輪でやってる感があって、なんか閉鎖的で嫌な感じがする。外に向けてこそ、だと思う。