春の音楽

 4年前の事だったか、とにかく大学3年の時のこの季節、大学時代絶えず麻雀をやっていた先輩3人の卒業旅行に同行した。その旅行というのがすごいもので、秋田から山口に車で行き帰るというものだった。本州の端から端のまあ本州縦断である。そんな事はその時しか出来ない、とまあ当時から思っていたが、今こうして時を経ると、なおいっそう実感を伴ってそう思う。もちろんほとんど車に乗りっぱなしの旅で傍目には辛そうだが、実際は非常に楽しかった。どこまでも続く道を走るという事自体がなんというか素敵な事だった。まあ先輩方もそんな風に感じていたかどうかは定かではありませんが。
 いや道というものが、どこまでも続くという事実自体がある種の感動を伴う。誰が作ったか知らないが、どこまでも日本中道は続いておるのです。鹿児島の端から北海道の端まで、道は途切れなく、それぞれの地域の人が作った道が繋がっているのです。あらゆる地域の人と人は、道によって絶えず繋がっているのです。道があってこその社会であり、要するに世捨て人になりたければ道から外れれば良いのです(ダブルミーニング)。
 そんな余談はいいとして、車の旅なわけだから音楽をかけるわけですが、そこで音楽の効用というものを味わった。単なるリスニングの枠を超えた効用というものを。長時間ドライブで運転者も同乗者もすっかり疲れ果て、その中で自然とヘビーローテーション(まあ、かけっ放し)でかかっていたのが、自分が何の気無しになんとなく持っていった一枚。

Groovy Rock Caravan

Groovy Rock Caravan

 大貫憲章とかによるクラブイベント?かどうかは当時田舎者なのでよく知らないが、まあそれによるコンピレーションアルバム。60〜70年代のロックの名曲がナイスにコンパイルされている。これがナイスといえど相当ナイスナイスで、ずっと聴いてても飽きないというかなんというか、疲れた体と脳に無理なく染み込み、無理なく気持ちをポジティブにして、それでいて盛り上げすぎない。正に長時間ドライブには最高にうってつけであった。恐らくこれ以上のうってつけの音楽というのはあり得ないだろう。春のドライブのお供に是非とも購入をお勧めする。