春の音楽

 春といえど季節の変わり目なので結局天気が悪かったり、不安定な空模様が続いたりする。そんなアンニュイさも春の重要なテイストなのだ。または環境が変わって日々が辛いアンニュイさとか。思い出したくも無いが、それが春というものだった。だから若かりし頃は春は一番嫌いな季節であったのだ。そんなアンニュイさを、自分でも知らない内に、すっかりパッケージングした音楽がある。なんと言ったらよいか、音楽っつうものはその時の気持ちや空気を勝手にパッケージングしてしまうものです。そんなアンニュイな春の一枚は自分にとっては何と言ってもザ・スミスのベスト盤。当時(16とか17歳)別にそれまでギター主体の音楽をほとんど聴いて来なかったのに、何故か普通に、異常にすんなりと入り込んで居座ったザ・スミス。ひょっとして洋楽ロックの入り口?(邦楽はフリッパーズや小沢小山田の1st。音楽シーン的には凄く良い時代だった。)

BEST... I

BEST... I

 スミスの音楽は一言で言うならば非常にメロディアスでポップでアンニュイだ。マイナーコードのギターポップが好きな人ならば外せない、というか基本であろう。このベスト盤はベスト盤と言えど、選曲が非常に良いというかなんというか、まだまだ良い曲がたくさんあるんですよこれ以外にも。ベスト盤一枚で全てが語りつくせるアーティストっているでしょう、そういうのはいまいちなもんですよね。


 ちなみにザ・スミスフリッパーズ小沢小山田の出会いのきっかけとなったアーティストでもあった。確か友達の友達って感じで小沢と小山田がたまたま誰かの家に居て、どっちかがスミスとかかけてて、「へえスミスとか聴くんだ」みたいなのから始まり、音楽話をしていったら、あれもこれもとマニアックな二人が意気投合、という事だったらしい。