地方札

 ふと、ネットで流れ流され、地方札というものを知った。心に焼きついた。


 よく見る夢の一つとして、麻雀をやっているのだが、見たことも無い牌、知らない役、わけのわからない得点計算、の世界に迷い込んでしまう、というものがある。その恐怖感、というものは共有出来るものであろうか?紛れも無い恐怖の世界なのである。今こうして想いをはせるだけでもドキドキハラハラしてくる程の。


 地方札のデザインを見た際にまず感じたのは、その夢の恐怖感であった。見た事も無い、わけのわからない、抽象的なデザインの札で、少なくない人々が、それぞれ精神の高揚や下落の最果てを味わったりしたであろうという事実*1が、重い。


 また、それらの札の地方による差異や、デザインに見る歴史や、またゲームの種類、ルール、用語、かけ方、配当、等々、背景に想いを馳せると、実にきりがない。深い。
とにかく言える事は、強烈に日本を感じさせる、これ以上無い程に大変ドメスティックなブツだという事だ。


 また、そんな恐怖にとらわれた後に、ヨーロッパのカードなんかを見ると、これは大変ヨーロピアンなブツだという事に気付かされる。すなわちカードやなんかの、こういった庶民達のささやかなアイテムにこそ、その土地のテイストというものが凝縮されている。濃厚に。その濃厚さから感じられるものは、自分のような夢の体験が無くとも、多いはず。


ninteniri1
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*1:基本的にバクチの道具なので