テストパターン欠乏症

　その昔、YelloMagicOrchestra時代の細野晴臣と高橋幸宏が主催していた、「YEN(\EN)レコード」というレーベルがありました。そこから様々な素晴らしい作品が生まれたわけなのですが、その中でも特に素晴らしいのではないかと思われるのが、Test Patternというアーティストの「Apres MIDI」という作品です。これは1982年の作品なのですが、まったく古くなっておりません。どころか、これが最高でこれしかない、みたいな気持ちにさせられてしまい、TestPattern欠乏症に苦しむという、考えようによっては恐ろしくも、とにかく素晴らしい音楽です。


　その音楽の特徴を言葉で説明するならば、普通のテクノに比べてユルいというのが特徴です。まず構造のユルさとして、音数が少なく、余計な音が鳴っておりません。そしてメロディーがユルく、力の入って無さが心地よく、繰り返し聴けます。


　そして、言葉で説明しようと思って考えた所で、そんな音とメロディーの丁度良さという以外に、特に言う事は無いし、その二つが丁度良ければそれだけで最高なのではないだろうかと思える辺りが、とにかく最高なわけです。


　しかし悲しいかな、テストパターン、その活動は短命で、一枚のアルバム(10曲)とオムニバスアルバムへの参加曲(3曲？)以外には残された音源も無く、そして恐らく誰もその後の彼らの活動について知る人はおりません。これがTestPattern欠乏症に苦しむ理由です。


　そんなTestPattern欠乏症のこの自分が、アポジー＆ペリジー「超時空コロダスタン旅行記」という、テストパターンの曲が収録されたオムニバスアルバムの一枚を、AMAZONで買おう買おうと思ってる内に忘れてて、売り切れてしまうという多大なミスを犯してしまいました。ある日カートをチェックしたらば、なんと7500円という価格が!!!やばいと思ってすかさずネットをチェックしまくり、在庫がある所を見つけて、注文して、ああ危なかったなんて思ってたら、入荷予定未定みたいなメールが！最初から在庫無しって書いておけよという話ですよ。オークションでも相場は3000円台へと。まあたかが1000円位の差なんだから買ってもいいんですが、プライドが許しやしません。さあどうする。

超時空コロダスタン旅行記(紙ジャケット仕様)