ゴネ得

 喫茶店に行ったら、店員が、持って来た飲み物をこぼして、MYリュックに大いにかかった。客に飲み物を持っていく事で日々生きている者が客の持ち物に飲み物をこぼすという、滅多にあってはならない事態に単純に腹が立ったのもあるが、また同時に、対応を見たいという純粋な好奇心もあって、終始怒っているようにしていた(素で出来る)。最初はクリーニングに店の方で出すみたいな話を持ちかけて来た。これは対応としたら×の方だろう。店で出すというのは、そちらの都合である。こっちにはこのリュックを日々持ち歩いているという生活があり、そしてもしも変わりとなるバッグが一つも無かった場合、どうしろというのだろうか、その事を考えていない、ので断る(まあ何にしろ断るんだけど)。その後少し間をおいて、家に取りに行く的な提案を出して来た。まあ良くわからなかったが、どうやら家にリュックを取りに来て、クリーニングして、また家に持って来てくれる的な提案である。しかしこれ、向こうの手間も相当だし、こっちとしては家に来られるという時点でかなり嫌だし、双方に良くないんで当然却下。そしたら、とにかく領収書を持って来て欲しい的な話になって、しかも言い方が何か脅迫的で、かつ住所の記入など迫られたのだ。なんで俺が住所を書かなきゃいかんのだ?しかもリュックのクリーニングなどいつ行く事になるのかも知れないのに、領収書だの住所だの・・・・、どれにしろ面倒臭いんだよ!そんなものは強制せずにお前らがつけとく事だ。要するに○月○日にこういう事があった為、いつか領収書を持って来る客がいたら、丁重に対応差し上げろ、と。
 店側の精神を抽象的な例で言うと、謝れば許されると思っているのだ。許さないでいると、何で許さないんだとばかりにこちらに許しや罰を要求してくるのだ。謝る精神とはそれではいけないのだ。何の罰も咎めも無くまともに取り合ってくれないとしても、相手に要求など決してしてはいけない。自分自身で折り合いをつけなければならないのだ。そもそも、厳しく言うと、有り得ない事をしちまったわけであるからして、極端に言えば「リュック代金弁償させて頂きます」くらいの事は、言っても良いのでは無いだろうか(MYリュックは防水加工かつ色は黒なので、汚れなど屁でも無かったのだが、これがもしも白い布のバッグで、死んだお婆ちゃんから貰った大切なバッグとかだったらどうなる?って話)。もちろんそんな金は過剰なので断りますが、100人居て99人の人は断るだろうから、その流れから入るのが理想じゃないだろうか。でその後は店長が出て来て、とりあえず飲食代無料プラスクリーニング代金現金2000円也という提案(提案という所がポイント、厚かましいおばさんとかに2000円出すと持っていかれる)、で現金の方はやはり大抵断るだろうから、結果としてとりあえず飲食代無料、と。こういう流れでやれば、結果は同じでも、気持ちが良いでしょう。
 というわけでつまり今回の結果としては、レジの所で飲食代が無料になったというわけであった。これだってもしかしたら、俺がずっとまともに取り合わないで、会計の時も任せて一人で出て行ったから、そうなったのかもしれませんよ。
 まあゴネ得というやつなのかもしれませんが、店よ、あるゆる店たちよ。いくら経営に余裕が無くても、上記のようにハッタリかましてほしいものですね。どうせ大体結果一緒なんだから、だったら下手に出すぎて、断らせるって方がね。ずるい感じかもしれませんが、相手の心理を真剣に考えなければそれも出来ないわけで、むしろずるく、考えて欲しいもんです。