電子音楽in the(Lost)World

電子音楽 In The(Lost)World

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 この本は3000円もする本で、普段だったら3000円もする本なんて、まず買わ(え)ないのだが、買った。そのいきさつ。


 ビッグカメラで知子にタブレットを買い与えた際、最初は9800円のを買おうとして店員を呼んだのだが、ふと付属マウスについて疑問を感じ店員に尋ねた所、マウスについての説明と、はっきり言って必要無い、との小気味良い言葉を頂き、マウス無しの7800円セットを買ったのだった。その後エレベーターで降りようとしたら人がいっぱいで階段で下りた。途中で本屋階に立ち寄った。そしたらこの本を見つけて立ち読みした。実に興味深く、所有したいガイドではあるが、値段は3000円。その事を知子に言ったら、タブレットの9800円→7800円の話をされた。つまり予期せぬ2000円の収入と考え、こういう機会に買ったら、との事だ。なるほど、と思った。良いアイディア、浪費家ならではのアイディアである。そして自分でさらに考察を加え、10%還元ポイントを使えば、2000円+780円、ほとんど3000円である。これはもう、ってな事で買った。


 この本の素晴らしい所は、歴史の片隅に埋もれてしまった奇盤珍盤企画盤等々が盛り沢山、貴重な名盤も紹介するし、また数多くの率直に言えばどうでもいいレコードをも並列に紹介している所にある。雑誌やなんかの特集ではまず取り上げられない類の情報が多いので、非常に有益である。そして昔の電子音楽レコードというもの、ジャケットを見てるだけで音が聴こえてきそうなナイスジャケが多いので、ビジュアル的にも有益。そして個人的に大好きな世界、80年代の日本のインディーシーンの流れを垣間見られるディスクガイドと説明が有益、と自分にとって間違いなしの有益本であった事は本屋で一目見ただけでわかった。だったら理由無く、ためらわず、買うようにすべき、と思った。倹約と言えども、貯めれば良いってものでは無いのだ。有益に使う事で倹約という行為もまた生きて来るのだろうよ。