マルメ5

 その日の夜は疲れはててぐっすり眠ってしまったような気がする。で次の日。この日はとにかく夜にコペンハーゲンのホテルに泊るという事だけが決まっていて、それ以外は別に自由であった。本来はさっさとチェックアウトしてコペンハーゲンに行くつもりであったが、何せありとあらゆるマルメの店が昨日は休みであったのがどうも我慢ならないというか、せっかくというか、という事で、ホテルのチェックアウト時刻のぎりぎりまで、午前中をマルメでのショッピング雪辱戦にあてる事にした。まず行きたい所の中で一番遠い「Myrolna」という店に、10時くらい(OPEN時刻のあたり、確証があるわけでは無い)に着くようにホテルを出た。ちなみに自転車は一晩黙って置きっぱなし。外国では都合に合わせて知らんぷり、すべき。


 予定通り10時くらいに「Myrolna」に着く。ちょっと前だったのでまだ開いておらなかったが、貼り紙に「Mon 11:00〜」みたいに書いてて、心の底からがっかりした。しかし店の横を見ると何人か人がぶらぶらしている、と、そのぶらぶらの一団が店に入って行くように見えた。行ってみる、開いている! 実にラッキーと思った。貼り紙は何なのだろう?ひょっとして別の店の貼り紙だったのだろうか?


 店に入ると、やけに馴染み深い、懐かしい感じ。デジャ・ヴュ?なわけは当然無くて、つまりは雰囲気がもろにハードオフ!(正確に言うとOFFHOUSE)。ちなみに立地や佇まいもそんな感じで、大きい車道沿いにあって、広い、と。肝心の値段の方はと適当に見て見ると・・・、やはり安い。素晴らしい、合格。しかし日本であろうとスウェーデンであろうと、同じようなニーズで同じような店が存在している、と考えると、何だか世界が狭く思えて来て面白いものだ。


 しかしこういう店では普通にやっていると、和んでしまって、どんどん時間が過ぎていくものだが、今はそんな場合では無い。急ぎ足で(広い)店内をくまなくチェック。ナイスなネクタイ、ガラスの安い(5Krとか)灰皿、小物入れ、その他こまごま(忘れた)買った。しかしちょっともどかしいのがあまりデカいものは買えないという所。良いチリトリがあったのだが、あまり邪魔になるであろうものは一切買えない、という事で断念したり。


 その後中央エリアに戻り「TeddysAntikShop」へ。ここはその名の通りのアンティ−クショップで、主にヴィンテージの食器やなんかを売っている。値段自体は安くは無いが、商品に対する価格という面ではかなり安いかもしれない。何せ日本からバイヤーが買いつけに来てるらしい。店主が(以下日本語訳)「キミタチハ日本人デスカ?」「日本カラコナイダコウイウ人ガ来マシタヨ」てな感じで名刺を見せてくれたのだった。また、かように、ここの店主は話の通じない日本人に対してもちゃんと気さくに話かけてくれたり、また商品の会計時に全部で3000円!みたいな切り捨て勘定してくれたし(その時は気付かなかった。後で値札見て数えたらわかった。お礼っぽい行動をとれなかった事を後悔した・・・)、一言で言って素晴らしく良い人である。商品の品揃えも見てるだけでも楽しい。マルメに言ったら是非行っておかねばならないスポットである。


 あと「Myrolna」の店舗がこの辺の街中にもあって、そこに行った。こっちはそれほど品揃えは良くなく、灰皿一個を買うにとどまった。時間ももう無かったので、ホテルへと自転車を飛ばす。
で自転車を返して(サンキュー云々とか言って)、部屋で素早く買って来たものをトランクに詰めて、ホテルのチェックアウト時刻丁度辺りにチェックアウト。でストックホルムの最後と同じ様に、さらばマルメよ、と。でこの時感じたマルメは、マルメ編の最初で書いた通り、なんやら慣れ親しい感じがしました、と。