マルメ2

 朝食はここのホテルでもビュッフェ形式、かつ食べ物がストックホルムのホテルとほぼ一緒。たくさんの種類のパンと数種類のハムとチーズ。野菜トマトシリアルヨーグルト、卵焼き・ゆで卵とカリカリベーコンソーセージ、オレンジジュース牛乳紅茶コーヒーと、これが恐らくどこのホテルに行っても基本なのではないかと思う。ただここの朝食には生100%自力で絞るオレンジジュース、というか要はオレンジと絞り機なのだが、があって、知子がかなりこれを気に入っていた。


 相変わらずナイスな朝食、窓から見えるナイスな景観、差し込む爽やかな日差し。しかし不思議なのは驚くほど人が居ないという事だ。まあこの日は日曜日だったからだろうが、それにしても人通りが異常に少ない。というのも、昨日の夜ホテルの玄関前でタバコを吸ってた時は(喫煙所がそこしか無かった)もう23時過ぎの夜中だというのに驚く程人通りが多かったのだった。つまりここらの人は夜遊び朝眠るのだろう。サタデーナイトフィーバーなわけだ。それは夜になかなか日が沈まない事も関係していると思われる。ストックホルムでは気付かなかったのだが、日が沈まない事沈まない事。夜8時だというのに昼〜夕方のような空である。ようやく日が沈むのは夜9時過ぎてからくらいだったろうか。


 さあ自転車を借りて出掛けよう、とフロントに行った所、フロントに居たのは昨日の爺さんでは無く女性。不安になった。聞いた所、なんやらわけの解らない事を言い出す。どうやら自転車がどれなのか解らないらしい。解らなければなんとかしろよ!というような事を日本であれば半分キレ口調で喋る状況、である。しかしここは外国、込み入った話が通じない。一旦会話を中断してどうしようか考える。朝食時に外に自転車が2台停められているのに気付いていたので、きっとあれではなかろうかと、そういう方向で話を進めて、これかしらみたいな感じでなんとか鍵を借り受けた。外の自転車に鍵を入れてみる・・・開いた!ほっとしたが、これだけでどっと疲れた。


 自転車に乗ってみる。デ、デカイ。乗ったままでは足がつかない。さすがは外人である。サドルを下げようとしたがスパナが無いと回らないであろうネジで止められている。のでここは昭和時代の子供乗りを取り入れるしかあるまい。これはどういう乗り方かというと、昔は子供用の自転車など無かった為、子供はサドルにまたがらずに、ペダルに足をのせハンドルをつかむのみ、要は画ヅラがまぬけな立ちこぎ、という事である。最初はこれで行こうと乗ってみたものの、もう一つのビッグプロブレムが。ブレーキが手元に無い。つまりペダル逆回転ブレーキである。昭和子供乗りでさらにペダル逆ブレーキと来た日にはなかなかつらい。結局の所乗ってる時は普通に座って、止まる時はまずブレーキをかけ、そのままペダルを踏んだまま立ち、少々派手な音と仕草でスタッと地に降り立つという乗り方にと自然になっていった。知子の方の自転車は大きさはそれなりで、こっちの自転車ほど大きくは無いが、ちょっと乗ってみた感じではブレーキが効きづらい&解りにくい微妙な話ではあるが、乗車の際に片方のペダルに片足をかけて地面をもう片方の足で蹴り助走してから乗るというスタンダードな乗り方がありますが、それがやりにくい。出来る時もあるのだが、なんというかホールドされてしまうというか。その為実際乗る際はまずペダルの位置を調節してから足を乗せ、そのままこぎ出す、という乗り方をしていた。


 とりあえずカジの地図に書かれていた教会を目指し、そこかしこにあるマルメの地図を見ながら走る。*1結構適当に行った為、もうちょっと手間取るかと思いきや、市街地図のおかげもあり、簡単に教会に辿りつけた。大きな教会、緑の芝生、爽やかな日差し。とりあえず一旦自転車を止め休憩して写真を撮ったり。

*1:しかしそこかしこに地図があって良かった。そうでなければ、やばかったはず。なんせちゃんとした地図が手元に無いのだから。