マルメ1

 マルメ到着。スウェーデンの地方都市とは一体どんな感じなのか?と行く前は思っていたが、結局マルメを出る頃にはすっかり慣れ親しんで、何処に何があるかをだいぶ把握してしまい、自分の頭の中では仙台やなんかの地方都市と同列に捉えられているように思う。住んでないけど、大体解るみたいな感じで。何故そうなったか?それはカジ(ヒデキ)のせいである。今にして思い返せば良かったが、リアルタイムでは結構大変だった!


 まずホテルの場所は非常に簡単で、大きい広場に面していたのですぐわかった。チェックインはスムースに行き、鍵を渡されたわけだが、アナログ鍵にデカいキーホルダーという古風な鍵。これではいちいち何処かに行く際に鍵を預けなければならないのでちょっと不便である。部屋はストックホルムのホテルよりは小ぢんまりとしているがまあきれいにまとまっていてベッドがデカいので問題無し。しかし問題は風呂。浴槽が無く、シャワースペースのみ。


 さてマルメで頼りになるのは雑誌リンカランに載っていた、カジが書いた地図である。そこで紹介されていた店に行こうとして我々はホテルを出た。地図に書かれていたChurch(教会)を目印に店を探すのだが、一向に見つからない。しばらく探した挙句、これは違うんじゃないかと思って、ホテル付近の広場にあったデカいマルメ図を見ながら、本に書かれていた様々な場所の住所とてらし合わせてみる。すると!?本に書かれていたあらゆる場所が、遠い!徒歩では決して行けないような遠さである。カジの地図は途中を端折った地図であったのだ。カジめ〜と思った。そしてこの後何度もカジめ〜と思う事になるわけで、これが最初のカジめ〜であった。そしてどうしようかと途方に暮れる。とりあえずその辺にあったファーストフード屋台で夕食を買い、ホテルに戻る。


 ストックホルムで買ったチューハイもあったので、夕食は結構満足感を味わったものの、さてどうしよう状態でベッドに寝転がりながら考える。何か無いかと、さほど期待もせずホテルガイドを見ていたら、レンタサイクルの文字が。どうやら、言えば無料らしい。言語コンプレックスもその瞬間は吹き飛んで、すぐさまフロントに向かう。ベルを鳴らしホテルのおやじを呼び、アイウォントトゥーレントアバイシクルトゥモロー、あトゥーねトゥーバイシクルズ、的な事を言って、無理矢理予約をとりつける。これ、この時言っておかなければ多分借りられなかった。この時言っておいて実に良かった危なかった、と翌日思う事になるのだった。