ストックホルム二日目〜マルメへ

 ストックホルム二日目、しかしこの日はマルメへの移動の日の為にあまり遠出は出来ないし、どうしようか迷ったのだが、適当に散歩っぽく、中央エリアで昨日行って無い所に行くという事にした。その為にはとりあえずチェックアウトしてフロントに荷物を預けなければならない。国内であれば何でも無い普通の事が、外国ではひどく憂鬱である。そういうシステムが無かったらどうしよう、わけ解らない事聞き返されたらどうしよう、とか子供の頃みたいに心配性になる。その頃の座右の銘は「案ずれば産むが易し」。そのせい、で実際はスムースに事が運んだ。


 ホテルを出て東に向かって歩く。朝のストックホルムの街はまた美しい。写真を撮りまくりながら歩く。近くの公園に入り一服する。公園は一面の緑、こっちの緑色は美しい。何が違うか解らないが、とにかく緑色が美しく映えている。公園中央には大きな像。ストックホルムは像率が高い。


 その後エステルマルム市場へ。ここはまあ売っているのは食料品ばかりで、さっき朝食を済ませたばかりの身としては特に見るべきものは無かった。そこから西付近へと歩く。この辺はまあ市街地といった感じで店が結構あり、適当に入ったりしながら歩く。広場のような所に出ると屋台だらけの市場というかなんというか。まあこういう所のもの売りの人というのはどこの国でも多分ノリは一緒で、威勢よく声をかけて来るわけだが、「ニーハオ!」とか言われたりした。


 その後少し戻ってマックへ。これはガイドブックに載っていたデザインマックで、デザイナーが内装を手掛けたマックというわけだ。入ったら席がいっぱいでどうしようかと思ったが、込んで来た為か閉まっていた地下への階段の扉が開かれ、これはナイスとばかりに早速知子に席をとらせて、注文する。日本の感覚で手元のメニューを見ようとしたのだが、在りやがらない。仕様が無いので上のデカいメニューを見るが、どれがセットでどれが単品かがよく解らない。凝視して悩んだが、30秒後くらいに流石にマズい空気が流れ出したので、単品でも構わないのでハンバーガー、ポテト、コーラと適当に注文する。昨日の疲れも余り抜けておらず、席に座ると実にほっと一息という感じ。そんな状態にここのマックは実に居心地が良かった。きれいで、静かで、席は端っこ。地下という所がまた良い。食べた後適当に休んでたら店員がコーヒーを勧めて来た。断ると、何やら店員も粘る。フリーとか言っている。つまり無料だと。マクドナルドで食後のコーヒーが無料なんて素晴らしい話じゃなかろうか。食ったらさっさと出て行け、の逆である。という事で無料なら勿論とばかりに貰い、またゆっくり休み、実にくつろげた。


 その後ちょっと南下して、公園に行ったのだが、そこは市民達の憩いの場であった、という一言で済ませられない程の憩いの場極まれりであった。池の周りを埋め尽くす人人人、それはまるで何かの出し物をステージ上でやっていてそれを観る観客達の如くであった。皆それぞれ友人と語らい、昼食を食べたり、ボーっとしたり、想い想いに自由に過ごしている。何があるわけでもないのにこうして黙ってくつろげるのは街全体の雰囲気が大いに関係しているであろう、いいなあなんて感慨にふけっていると、わけの解らない汚っぽいアジア人の男が近づいて来たと思うや否や目が合って、話しかけられた。何を言われたかは忘れてしまったが、まあとにかくアイドンノウ!と言って、かわした。その男の声がデカいもんでちょっと目立ってしまったので、公園を出る。


 そこからちょっと東に行くとまたも公園があり、スケールは小さいが、こちらは緑が鮮やか&人はまばら、そしてやはり中央に像、と言った公園であり、少し右を見やると海、街中とは思えないほど爽やかな風を感じるロケーションでまたもくつろいでしまった。さてそろそろホテルに荷物を取りに戻るべき時刻も近づいて来てたので、そこから歩いてエステルマルムの駅に行き地下鉄で帰る事にする。駅付近にスーパーがあったので、ここでもまたちょこちょこと買い物をした。


 ホテルに戻り、荷物を無事引き取り、さようならストックホルムの街よまた来る日はいつか?あるか?とばかりに駅へと向かう。地下鉄に乗り中央駅。アーランダーエクスプレスでストックホルム空港、とスムースに行きたい所だが、ここでうっかり。空港のターミナル違いで、一つ前の所で下車してしまった。ホームからは人の気配が消えすっかり閑散。電光掲示板にはここからは乗車できません的な文章。さてどうする? まあ乗車できませんだろうがなんだろうが、ここは外人特有の知らんぷりで次の電車に無理矢理乗るしか無い。で、実際誰にも咎められずに上手く行った。しかしそういう時に電車に乗る時の素早さ、について考えると笑える。もしこれがビデオに撮られてて、後で自分で客観的にみたら、凄い焦ってるんだろうなあ、というか。


 さてストックホルム空港に着き、再びコペンハーゲン行きの飛行機へ。しかしこの時は結構参った。所詮今までは荷物預けたり、チェックだの出国審査だのは日本でおこなったわけで、今回はそれを外国で行わなければならないわけだ。飛行機に何度か乗った経験があればまだしも、それすらないので、流れも解っていなければ場所も解らない。結局英語でアイウォントトゥゴートゥーコペンハーゲン云々等と聞きましたよ。場所を教えてもらい、後は何となくなんとかした。再び小型機に乗ってコペンハーゲンへと。飛行機の窓から見える風景が凄かった。スウェーデンってこんなんなってるんだ、っていう。


 コペンハーゲン空港到着。一瞬デンマーク気分になるが、予告編みたいなもんで、これからまたスウェーデンである。マルメ行きの電車は結構簡単に見つかった。多少不安はあったが、乗ってると20〜30分程でちゃんとマルメに着いた。