Skogskyrkogarden

 起床。天気は・・・やや悪い。雨は降ってないもののどんより空である。書くのを忘れていたが昨日の夜から小雨がパラついていたので、その流れを引き継いでいた。


 さて朝食である。レストランは何階であろうか・・・とここで気がついたのだが、向こうでは階の表記がエントランスのEが地上階であり、その上が1階である。これは旅行中行った全てのホテルでそうであった。とりあえずエントランス階に下りたらすぐ左にレストランがあった。バイキング形式であったのだが、様々なパン、様々なハム、様々なチーズ、トマト、菜、フルーツ、カリカリベーコンスクランブルエッグ、ソーセージ、ゆでたまごと実に豪華な感じで素晴らしかった。あとたらこ味のチューブというか、元々当地で買おうと思っていたやつが置いてあり、これは何か取りに行く度に貰って来た。向こうでのベーシックな朝食(というか昼も?夜も?)としてはパンの上にチーズやらハムやらトマトやら乗せて食べるというタイプで、これはなかなか気に入ったので取り入れようと思った次第。


 さて最初は森の火葬場ことSkogskyrkogardenに行く事にした。これはその名もSkogskyrkogarden駅に向かえば良いわけで、地下鉄に着いて行き先案内をチェック。電車には終点の駅名が書いてあるのだが、これがどこで終点になるかは日本と同じでまちまちなので、いちいちチェックが最初は大変であったが、これはストックホルムを出る頃にはもう慣れた。全ての路線が一枚の案内図でおさまるって所がポイントであり、意外とわかりやすいのだ。


 電車で20分くらいだろうか、中心地から少し外れてSkogskyrkogarden駅がある。その為移動中は車窓からの風景も楽しめ、もちろん降りたら降りたできれいな自然を堪能出来る。北欧の醍醐味はこういう街から少し外れた風景にあると思う。晴れの日は牧歌的、雨の日は郷愁的、といったような。日本の郊外のような空虚感は無い。ただしかし残念な事が一つ、これはかなりどこに行ってもそうだったのだが、あらゆる壁にグラフィティが描かれているのだ。しかもダッサい色使いで。まあ若者にとっては確かに、そこで生まれ育ったとしたら退屈な風景かもしれない。しかし北欧の自然な色彩感覚は元々素敵なものなので、それに反抗すると、おのずとダサい色になってしまうという皮肉。はっきり言って台無しであり、残念だ実に残念だ。


 Skogskyrkogarden駅に到着して、森の火葬場Skogskyrkogardenは解るだろうかと不安に思っていたのだが、すぐに看板に矢印が。まあなんせ駅の名がSkogskyrkogardenなわけだから当然と言えば当然だが。ちょっと歩くとすぐにSkogskyrkogarden前看板があった。入って行くと、まあ壮大なランドスケープである。もちろんその壮大な眺めにも圧倒されたが、もっと圧倒されたのは人っこ一人見当たらないその貸切感。壮大な空間に二人っきり、このシチュエイションって日本ではちょっと味わいにくいのではないだろうか?いつどこに行っても誰かしら居るもんだ。


 少し歩くと左側に謎の小さな建物、謎の中庭がある。中庭に入って見るとこれが実にいい感じの空間。謎の建物の方はというと、のぞいてみたらば片方はトイレで、片方は休息所って感じであった。中に入ってみると、これまた実にいい感じの無意味空間があった。そこを出てさらに進んで見ると教会があり、驚いた事に中には少なからず人が居た。この壮大空間の壮大な存在感は、ちっぽけなヒト(ヒト科)という動物の存在感なんてまるで在らぬが如く消し去ってしまうのであろうか、と思った。Skogskyrkogarden、今度は晴れた日にも来てみたいと思った。