歴史的名勝負

telestar2007-10-26

友人K.Kとは中学高校時代からよく、スーパーファミコンの「スーパープロフェッショナルベースボール(ジャレコ社)」で対戦していた。故郷に戻ってきた事でK.Kも遊びに来る事が出来るようになり、昔を懐かしみながらもスーパーファミコン対戦をやっている。実にどうでもいい事なのだが、昨日は実に名勝負だった。


「スーパープロフェッショナルベースボール(ジャレコ社)」は、はっきり言って俗に言うクソゲーの類のゲームである。盗塁が出来ない、バントが出来ない、投手が疲れてくるとものすごい山なりのボールしか投げられなくなるなど、突っ込み所が満載である。しかしそれだけに、笑える部分も満載である。中途半端なリアリティは確実な笑いを届けてくれる。そこがこのゲームを10年以上もやり続けている一番の理由なのだが、それだけでは無いような気もする。


例えば普通にバッティングすると凡打の山だが、良い当たりをした時は明らかに手ごたえが違う。ゲームなのに、確かなバッティングの手ごたえがある。やたらと気持ちがいい。そしてそのヒットの生まれる割合だとかが、なんかちょうど良い感じだったりするのだろうか、なんというか対戦すると、いい感じのゲームになりがちというか、勝負の熱を笑いが冷ましてくれたりだとか、ふざけ半分なノリというか、まあ様々な要素がないまぜとなって、妙な魅力を放つゲームである。もちろん一人でやってもまったく面白くない事は言うまでもない。


K.Kは近鉄、自分は巨人。近鉄が2回3回それぞれソロホームランで2対0となり、3回裏に巨人は吉村のホームランで一点返し2対1。5回に近鉄はランナーを二人おいて4番石井、ここでK.Kの奇策、4番石井のフォームが悪いという理由で代打に梨田を送る。この奇策が大成功、梨田がスリーランホームラン。5対1となる(こういう辺りに、ゲームをやっている場での、笑いと盛り上がりといったものが、想像されませんでしょうか?)。6回裏巨人は吉村が2打席連続のソロホームラン。5対2となる。7回から巨人は代打攻勢。長嶋は凡退したものの、王貞治はソロホームランを放つ。5対3。


ちなみにこのゲーム、代打後の守備の事などはまったくお構いなしである。ピッチャーに代打を送った時のみピッチャー交代になるだけで、例えばキャッチャーに代打を送っても何事も無かったかのようにゲームは進行する。キャッチャー王貞治である。


八回裏2アウトから代打元木がヒット。そして次のバッター吉村が奇跡の3打席連続ホームラン。これで5対5の同点となる。そして9回裏巨人がノーアウトから連打で2,3塁とし、内野ゴロの間にホームイン。5対6でサヨナラ勝ちとなった。


このゲームはそもそも狙って打てるようなゲームではない。ほとんど運まかせといっても過言ではない。打てない時はまったく打てない。それなのに、それだけに、吉村の3打席連続ホームランとは正に奇跡である。おそらく調子の隠しバロメーターがあるのだろうが、ここまで極端な事も珍しい。クソゲーがこのような名勝負を届けてくれると、感動もひとしおなのである。クソゲー、だが名作。スーファミ野郎は「スーパープロフェッショナルベースボール(ジャレコ社)」をGETすべし。100円で。