落語

 日曜日におばさん夫妻に連れられて、新宿の末広亭という所で、寄席を見に行ったわけなのだが、行く前に抱いていたなんだかワケわからない話を聞かされて全然笑えないんじゃなかろうか、みたいな不安は、まったくもって偏見であった。


 軽い。実に軽い。だってたった一人で出てきて、座布団とマイクがあるだけ。ネタはネタだけど、語り口や間なんてのは演者の個性だし、一人フリートークだ。そこにテレビ番組のような力技は存在しない。研ぎ澄まされたテクニックと、磨かれた個性が、笑いを産み出す。そういやR-1なんかにも、何か感じるものがあった。一人って所が、重要なんじゃないか、と。


二人(演者)対大勢(客)ってのはなんというか、演者二人の世界があって、それを観客が見るっていう世界のような感じ。それが一人対大勢になると、客に向かって語りかける、ってもんでもないけど、その人の個性っていうか、その人と、観客一人一人が1対1になるっていうか、全てが1で構成される世界になるっていうか。恋愛なんかでもそうでしょ、1対1っていう所に集約されるっていうか。なんか上手く言えないな、眠いから。とにかく僕は好きだな、そういう1な世界は。


とりあえず川柳川柳にみんな注目すべきだよ。彼が死なない内に(77歳!)。