マウスの奇跡

 Libretto30を使用するにあたり、ろくなマウスが無いという事は切実きわまる問題だったので、オークションで安いのを2点ばかり落札したのだが、何故か使用出来なかった!これだからこの時代のパソコン事情というものは・・・、USBで何でも接続できるようになったというのは一つの人類の歴史における発展である、とすら言える。


 しかし転んでもタダでは起きず。以前ハードオフで買って暫定的に使用していたマウスは、まずマウスのボールがつるつるしててとにかく効きが悪かったのだが、今回落札して使えなかったマウスのボールと(悔しまぎれに)交換してみた所、なんとピッタリの塩梅。全く何の気になる点もなく、あたかもそれが最初から入っていた本来の玉であるかの如く、スムースに動くようになった。これが一つ目の奇跡。


 そしてこのマウスのもう一つの問題点は、右クリックが効かないという事である。購入したマウスもダメだったという事で、これまた悔しまぎれに、いっそこのマウスの中を開けてみる事にした。するとありましたよクリックの元となるボタンが。開けたままの状態で接続して、そのボタンを押してみた所、それでもやはり効きは悪い。


 そこでそのボタンの内部まで見てみなければならないという事で、ドライバーでひっかかりを潰したりして開けて、最深部へと迫る。するとクリックの原理というものが露にされたわけだが、拍子抜けしてしまった。そこにあったのは小さなスプリングと、スプリングに引っかかった小さな鉄の破片、鉄片である。スプリングが押されて、鉄片が動き、他の鉄片と接触する事により、回路がONされるという、こんなんでいいのか!?的な、実に原始的な仕組みだった。(スプリングを、押す、だよ!?)


 とりあえずその鉄片やらスプリングやらのゴミをとるしかあるまいと、とりあえずドライバの先でひっかいたりしてたら、案の定スプリングと鉄片が持ち場から外れてとれてきた。まあとれなければ、恐らくゴミもとれなかったかもしれないが、こいつを元に戻すのには骨が折れた。とにかく小さすぎるのである。そして案の定、元がどうなっていたかが解らなくなってしまった。こういう作業をする場合には、デジカメ必須だと切実に思った。元がどうなっていたかというのは、とれてしまえばもう絶対にわからないのである。なので正常な左クリック側の方も開けて内部を見て、仕組みを理解し、がんばった。鉄片がスプリングで飛ばされ床に落ちて探したりもした。何度も投げ出そうと思った。それでもやり抜いた。なんとか見た目だけでも元の状態に戻し、マウスを元通りに組み上げ、パソコンに接続してみた。どうせダメだと思ってた。


 すると二つ目の奇跡が!なんと、あれだけ鈍かった右クリックが、正常に効くようになっていた。左クリックもそのまま効く。ポインターの移動も上記の通りスムース。これではつまり、全く問題の無いマウスではないか!苦労は報われたのだ。想いは通じたのだ。


 まあ買ったマウスは無駄になっているわけだが、分解する動機にはなっている。物事の因果関係を考えると、結果オーライはすなわちAllがRightという事で良いのではないだろうかと考えつつも、それでもやはり今回の経済的損失が気になったり、邪魔なマウスをどうしようかと考えたり。