バス男

バス男 [DVD]

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 心のベストテン第一位キターーー!!!!、ってやつか?おととい初めて観たのだが、とにかく素晴らしい。何が素晴らしいかってまずタイトルが素晴らしい。良識ある人々は皆、このいかにも配給会社が目立たせる為につけた的なこの邦題を嫌がっているようだが、素晴らしいじゃないですか。「電車男」に対して「バス男」。電車、ときたらバスというこの安直な発想。しかし主人公はオタク青年だし、実際この映画は主人公がバスに乗る所から始まる。そしてこの時期/タイミング。これだけ都合の良い条件が揃ったら、嫌でも「バス男」ってつけざるを得ないってもんでしょう。そして「バス男」ってタイトルを聴いた時の脱力感は、その後鑑賞するにあたり、どちらかと言うと好影響をもたらすのではないかと。平たく言えば、単純に「くだらなそう」と思って観たら、期待してないだけにより一層楽しめるってもんでしょう。


 この映画は、意外だったのだが、普通にセンスがいい。冒頭のスタッフの名が出る部分なんかの映像ときたら普通におしゃれ映画の様である。おや?と思いきやすかさず、主人公ナポレオンのTシャツの柄が目に飛び込んで来て、これでもうつかみはバッチリで、すっかり心を持っていかれてしまう。するとたたみかけるようにイイ表情、イイ動き、イイ発言が次から次と、心をわしづかんで離さない。一挙手一投足から目が離せない状態に陥ってしまう。


 主人公ナポレオンと友人ペドロの会話は、さくらももこの「長沢君」まんまである。そう思うにつけ、いくら人種や育った環境があまりに違っていても、所詮ヒューマン、ホモサピエンス宇宙船地球号の同乗員、イッツアスモールワールドなんて思いにとらわれてしまう。面白い事は、世界等しく面白い。面白い奴、面白がる奴、わからない奴、どこにだって同じ様な人々が同じ様な割合で居る事だろう。その事実に感動を覚える。
永沢君 (スピリッツボンバーコミックス)

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 それにしてもこの映画の事を思うだけで笑いがこみあげて来て、外でも一人でにやけてしまうので、今の笑い、見られたか?といちいち気になってしまって仕様が無い。しかし何より、この映画をそこまで好きな自分というものに、我ながらどうか?と思うが、己のストライクゾーン、すなわちド真ん中、すなわち中心、それを知る事は大切な事だと思うし、また一つ深く知れた事はラッキーな事だと思う。まあ、これがド真ん中という事実自体にもどうか?とは思うのではあるが。


http://www2.foxsearchlight.com/napoleondynamite/
WEBサイトもコンテンツ充実。かなりかっこいい。