ストーブのメンテナンス

 たかがストーブ、されどストーブ。ストーブというものはその価格や存在感などから、ついついメンテナンスを怠ってしまいがち(自分だけ?)になるものですが、先日日頃の不摂生がたたり、エラーメッセージ頻発、点けても点けても消えてしまうという事態に至り、本格的にメンテナンスせざるを得ない事態となってしまいました。


 しかも去年はこの日頃の不摂生でストーブを壊してしまい、買い換えたという事もあり、また壊してしまっては本格的にダメ人間です。真人間としてのプライドを取り戻す為にも、たとえ油まみれになろうとも、やらざるを得ない、やるっきゃ騎士なわけです。


 さてまずいけないのは去年の残りの灯油を使っていた事。別に大丈夫かと思って使っていたのですが、これはよくない事らしいです。とはいえ灯油の処理ってどうするんだ?という疑問もありますが、まあストーブ的には良くない、と。しかし去年の灯油でも最初の方は普通に使えてたのですが、残り少なくなって来たところでエラー頻発となりました。これは恐らく油とその他水などの分離の性質によるもので、油は(多分)下にたまり、その他のものは上に残る、だから最初は良くても残り少なくなるともうダメという事ではないかと思われます。


 つまり、まず灯油缶の油を捨てなければなりません。どこに捨てるか。去年ストーブを壊した際にも不純灯油が元々の原因だと推測されましたので、捨てたわけですが、これは夜中にこっそり、家の近くのドブに捨てました。しかし今回はエラー頻発したのが朝の出来事でしたので、そういうわけにもいきません。少し考えた挙句、トイレに流してしまいました。とりあえずこれで灯油缶の方はOK(?)です。


 次に灯油缶からの灯油を受ける部分、フィルターを取り外して洗浄しなければなりません。これがまた非常に汚れていました。さて洗浄と言っても、水は油の大敵であり、当然使えません。ではどうするかというと、単純かつ斬新な発想、油で洗浄するのです。灯油ポリタンクからきれいな油を器に出し、フィルターをチャポチャポと、油が水であるかの如く、普通に洗ったわけです。これはなかなか非日常的な新鮮な体験と言えるのではないでしょうか。


 さてあとはストーブ内部にも汚い油が溜まっています。これをどうにかして捨てなければなりません。ここは夫婦のコンビネーションで片方が灯油ポンプ担当、片方がポンプの先と器担当で、吸い出しました。汚い油がポンプから吸いだされて来るさまはなかなか爽快です。さてこの油を捨てるのはやはり、もうためらいなくトイレです。しかしやはり全部吸いだせるわけではなく、少し残りました。ここはもう原始的に手を入れてキッチンペーパーでふき取りました。先程、まるで水遊びをするかの如く油と戯れた手ゆえ、もはや何のためらいもありません。


 あとはフィルターをはめ、きれいな灯油で満たした灯油缶を入れ、メンテナンス完了。フィルターに油がしみこみ、ストーブ内部にきれいな油が行き渡るまで、充分な間をおいたのち、点火。が!また同じエラーが出ました。まだなじんでないのかなと希望的観測しつつ、また点火しますと、またもや同エラーで消化。せっかくやったのに駄目か・・・とあきらめの気持ちになりましたが、また間をおいたのち今度は少し強めに、設定温度を上げて点けてみたら、なかなか調子が良い感じで燃焼していました。そして、しばらくしても消えませんでした。成功です!


 さて以降ストーブは実に調子良く動いております。ちょっとメンテナンスしただけで、まるで死にかけの老人のような状態から、まるで朝起きた子供のように生き生きとした状態になるという事は、今までの不摂生を詫びつつ、しかしとてもすがすがしい気持ちになるものです。これはもうストーブのみならず、いつもお世話になっている機器のメンテンスも積極的にやるべきだと思いました。そしてまた、いつもお世話になっている家族や周りの人に対する感謝の気持ちを忘れないという、「心のメンテナンス」もまた、素晴らしい事かもしれませんね・・・(遠い目)。