MT-32


 MT-32という機材がありまして、これは昔のパソコンのゲーム音楽によく使われていた音源です。当時はこれがデファクトスタンダードだったらしく数も相当出回っている為、中古相場も非常に安い(自分は500円也でつまみのとれたジャンクを入手、普通はまあ1000〜2000円くらい?)チープなシロモノです。これは入手して以来まあ殆ど使わずに実家で眠っていたわけですが、TX-81Zを入手した事によりなんとなく思い出して、で実家帰って押入れから出してみたらサイズも非常にコンパクトだった為、宅急便の荷物に紛れ込ませてみました。
 こいつは本体の見た目が非常にシンプルで、ボタン6+4つとダイヤルしかありません。その為本体操作はこのボタンを押しながらこのボタンを押すと・・・なんて感じで大変とっつきが悪く、しかも本体だけではほとんど何もできません。その為、この機材がれっきとした音を創れるシンセサイザーだという事を知らない人も多いのではないのでしょうか?というか自分がそうで、この↓ページを見て「えっ!エディット出来るの?」って思ったわけですが。
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http://gshoes.dyndns.org/
非常〜に為になるちゃんとしたページ。

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で、どうやるかというとまあパソコンに繋ぐわけですが、ソフトが必要です。
http://www.xs4all.nl/~giovanni/midisoft.html
ここにあります。上から3つ全部DLして下さい。絶対に必要なのは上と下ので、中のは大量かつ有用な音色ファイルです。
 最初は全然意味が解らなくて難儀したのですが、色々解ってくると、なんて素晴らしいフリーソフトなんだ!って思うようになるはずです。要はこのソフトはMT-32のコントローラーです。MT-32本体の6+4つのボタンは例えるならテレビ本体についてるボタン程度の意味合いであり、このソフトがリモコンのようなものです。リモコンが無いと録画予約が出来ないテレビと同じように、MT-32は殆どの操作を外部でするシンセサイザーだったのです。この事実には少なからず衝撃と感動を覚えました。なんせこんな小さくてチープでいかにも非力そうな機材が、普通のシンセサイザーだったなんて、という。
 そして操作も普通の鍵盤付シンセサイザー本体よりもパソコンの方がやりやすいのは当然ですし、またMT-32の場合は、本体で出来る事の少なさがそのまま機動性に繋がっています。ボタンや機能が多いほどやはり人間と機械というもの、えーと何だっけという状態に陥り易い事は確実で、MT-32の場合それが余り無いというのは強みです。エディット、転送、視認という単純な流れで快適操作、かつ昔ながらの豊富なシンセサイズ機能、かつ小さい軽いそのうえTR-505ばりのドラムマシンにもなる、というこのMT-32こそ隠れた名機どころの話じゃない最高のシンセサイザーなんじゃなかろうかと凄く大げさに言えばそう思っております。